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WARとは?




皆さん、大変ご無沙汰しております。CatfightRonaldです。
実に1年半ぶりと久々のリリースとなります「WAR」の三作目の解説を、さわり程度ですが少しお話致します。

第一試合 水野さやかvs川瀬七夏

生え抜きで才能を開花させた水野選手は前回激闘の末、佐伯選手に完敗。
佐伯選手はその後引退を発表、モチベーション的にも水野選手は落ちていましたが、ある日川瀬選手から連絡がありまして。
あの娘(水野)は何やってるんだ、私はSSSリングにあがるぞって。
その事を水野選手に伝えたらもう発奮して練習に打ち込むようになったっていう。
SSSGPでの因縁はありましたし、水野選手は思うところがあるんでしょう。
なのでマッチメイクはすんなり決まりました。
勿論、川瀬選手もしばらくSSSリングに上がってませんでしたから、相当の覚悟はあったと思います。
心配する声もあったんですが、その覚悟は試合当日しっかりと見せてもらいましたよ。
“円熟”という言葉が合うんじゃないかって思いますね。
お互いに成長し、一つの終着駅がこの試合だったのかなっていう。
デビュー時期が違いますが、水野選手の歩んできた道が川瀬選手との差というものを明らかに埋めているなっていうのは感じました。
それと同時に川瀬選手のポテンシャルの高さにも改めて関心させられましたね。
内容としては、“原点回帰”これに尽きます。
「大技を中心に技を出して試合を形成する」これは確かに大きなポイントだと思います。だた、それだけが正解ではないと感じてまして。
最近の業界の流れとして技をそつなくこなして、それをつなげば試合になるといった風な作品ばかりな気がします。
作品制作の雛形のような形でSSSで創ってしまったのが、今の流れだとするならば正直それはうわべだけでNGだと僕は言いたいです。
大技は大事ですし、フェチを要する技も必要です。それで苦しむ顔が好きっていうのも解ります。
ですが、根底にあるのは感情のぶつかり合いなんだっていうのをもう一度投げかけるためにこの試合を監督しました。
必死さは忘れてはならない、この試合が他作品に良い影響を与えることを願っています。







第二試合 雪乃あさ美vs国見奈々

もう一人の生え抜きレスラー、国見奈々選手。
彼女はデビュー当時から常に強豪とあたり続け、気づけばSSSを代表する正統派のレスラーへと成長しました。
やはりサンダー女子プロレスでの日高ゆりあ選手との試合は大きかったんじゃないかって思いますね。
あれからさらに自分を磨き、とうとう一つ壁を乗り越えたなっていう。
SSSの大きな屋台骨になったと、太鼓判を押し新人の雪乃あさ美選手との試合で「格上側」のポジションにつかせました。
常に挑戦者であり続けた彼女が新しい一面を見せ、小柄ながら気の強さを前面におしだしたファイトスタイルで期待に応えてくれたと思っています。
雪乃選手は全身のバネと持久力に優れた選手ですね。思い切りも良く、根性系の選手と言えます。
今後の伸びに期待したいところです。
この試合は今まで不可能だといわれ続けた「ジャーマンスープレックス」「フィッシャーマンズスープレックス」を出しています。
厳密に言えば、過去に松沢優選手がフィッシャーマンズスープレックスを出していますが、
あれは落下の途中で投げきるのを止め、ノーザンライトの様に頭部から落とす「ボム」系の技で
松沢選手のオリジナル技でしたので少し毛色が違います。
今回可能としたスープレックス系の技は、攻め手が約二人分の体重の衝撃を首に受けることが前提となっており、
二人分を投げきるパワー、ブリッジが出来る柔軟性、そして肩と首が強靭であることが大前提となります。
さらに、受け手にも高い素質が要求され、首、背筋の強さバランス感覚、ダメージを軽減させる高い柔軟性、
方向感覚がなければ大事故につながってしまいます。
パワーボム系の技よりも受け手に要求されるレベルが高く、簡単にはこなせない技です。
何故危険を冒してまで大技を導入するのか?
僕が思うにプロレスは殺し合いではありません。
ですが心が折れる・意識が飛ぶなど闘う人間が追い込まれてから生まれるシーンに本質的な魅力が多く含まれているのではと感じています。
やれることはもうなくなった?いや、一昔前は今の大技が出る状態は想像だにできなかったハズです。
いつか僕が撮らなくなった時、このリスクに挑戦する人間がいなくなるかもしれません。ですから残せる間に全力で進化を。
危険をかえりみない無謀な進化ではなく、驚きをもって地に足をつけた進化を。
新しい出発点の瞬間をSSSで迎えることが出来て幸せです。

本当にファンの方には長い間お待たせしたことをお詫び申し上げます。
良質な作品をどうしても届けたくて遅れてしまいました。これが最前線の一つの形です。


これが次に繋がっていければ嬉しいなぁ。 

2010年 6月吉日  CatfightRonald